結局輸入はCITESがややこしい

 こんにちは。Arrow Reptilesです。

タイトルの件、前回記載した輸入トラブルも結局元を辿るとCITESのせいなんですよね。。。そこでCITESについてちょっと個人的意見も交えつつ語っていこうかなと思います。

・まず、CITESとは絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約のことであり、一般的にはワシントン条約と呼ばれることは皆様ご存知だと思います。

・CITESには『付属書』として動物の名前がリストアップされており、1類、2類、3類に分かれています。モニターなどが2類です。また、オーストラリア系が最近3類にリストアップされましたね。

・リストに入ると、それぞれの類に紐づいたルールに乗っ取り輸入手続きが必要になります。

簡単にいうと輸出国の輸出許可証が必須に、日本の輸入許可証が2類の場合必要になると思っていただければわかりやすいです。

・輸出許可証をどうやって取得するかは国によっても違うと思いますが、ドイツの場合は「ブリーダーによる原産証明」と共に書類申請が必要のようです。大体申請が降りるまで3週間かかります。

・どうやらこの輸出許可の取得については国・個体によって難易度が異なるようです。以前ミミナシオオトカゲをベルギーから輸入できないかチャレンジしましたが「正規輸入であることを示す書類を提出する必要がある」とのことで、CITES入り前はそんな書類当然なく、CITES入り後は野生個体が正規輸出されていない以上普通に無理でした。現地のブリーダー曰くミミナシオオトカゲは税関がうるさいらしいです。

・アカジタミドリヤモリをドイツから輸入することにチャレンジしたときは許可が出るまで4ヶ月から半年かかると言われました。期間についても個体によって差がありそうです。

・ただ、むやみやたらに申請が拒否されるようなものではなく、オーストラリア系でもヒガシアオジタやキタアオジタ、タマオヤモリ、ドワーフモニターなどは1ヶ月程度で申請が許可されています。輸出許可の難易度については正直不明ですが極端に難易度が高いものではなさそうです。

・ここからがCITES入りによる影響について私見も含めて語ってみますが、「現地ブリーダーが日本に販売するインセンティブが著しく下がる」ことが最大の問題だと思います。

・例えば2類にリストアップされており、1匹数万円で販売されるトッケイヤモリのCBをヨーロッパから日本に輸出しようとするとそのために書類を作り、3週間結果が出るまで待つ必要があります。あまりにも面倒ですよね。なら手続きいらないヨーロッパで売るわ!となるわけです。

・よって日本に出てくるのは2パターンになると思います。

①数が多い。今回弊店で販売しているアオジタはまさにそのパターンです。まとめて大量購入する上客になることで手続きのモチベーションをあげてもらって、輸出してもらいました。

②高額種である。ペアで100万をこえるマダラアオジタトカゲのようなレア種であれば、ヨーロッパでもなかなか売れないので、3週間待ってでも日本に輸出するかーとなるかと思います。実際にそういうオファーはいくつか受けました。

・上記を踏まえると、数万から10万円程度のCITES入りしている個体がちょろっとだけ入荷する、といったことはどうしても少なくなってしまうと思います。かといって大量入荷はリスクも大きいですし、そもそも大量に市場に出回りにくいですしね。オーストラリア系がCITES3類入りした後見かけることが減ったイシヤモリなどはまさにこのゾーンだと思います。

・今後CITESに入る噂のツノトカゲやヘルメットゲッコーなども野生個体は管理が厳しくなり入荷は激減、CBは高額化して登場、というのが予想できる流れでしょうか。もしくは非正規輸入(略)※非正規輸入については全くわからないのと真面目に語っても仕方ないので省略します

・ということで今回トラブっているのはまさにイシヤモリです。4ペアまとめ買い、その他抱き合わせで大量購入で攻めましたが、総額的に小さいので先方のモチベーションがあまり高くなさそうです・・どうなることやら。

以上、CITESについて語ってみました。完全に私見が含まれているので参考程度にお願いします。最後になりますが現在販売中のヒガシアオジタ、キタアオジタは入荷できたという点で価値があることをご理解いただけましたでしょうか・・笑 是非いなくならないうちにご購入いただければと思います!笑


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